時として化粧品メーカーが全国3万5000の化粧品専門店すべてに対して「安売りをするな」と触れ回っているかのようなニュアンスを受ける。 だが、いくつかの化粧品専門店に対するヒアリング調査からは、そのようなケースは判明しなかった。
乱売競争を避け、利益獲得に奔走する化粧品専門店が多いため、これまで安売りを行う気配はほとんどみられなかったと言えるだろう。 かったと考えることもできる。

前述のように、乱売時代の苦い経験を通じて、化粧品専門店は価格に敏感であった。 メーカーが化粧品専門店に対し、安売りを依頼してもそれらの多くは断るとさえ言われている。
また、Fの勝訴判決の中で、「対面販売の要求は価格維持につながる」と指摘されている。 だが、これもFのように通常は店頭で販売するために仕入れた商品を、大量に職域で通信販売するという極めて異例なケースについてのものである。

化粧品専門店の多くには、メーカーから美容部員が派遣されている。 そのほか、メーカーが対面販売を要求しなくとも、専門店は自主的に対面販売を行っている。
しかし、S堂側にも対面販売において不備な点は見受けられる。 「販売時には、商品の説明を顧客に行うこと」をチェーンストア契約書に示している。
通信販売では、それが不可能としてFとの契約解除に踏み切ったわけである。 だが、S堂とチェーンストア契約している化粧品専門店の中には、最近、店頭で一切対面販売をしていないところが出てきている。
たとえば、駅ビル内のテナントなどでは、消費者の出入りが多く、一人ひとりに対面販売していたのでは効率が悪い。 そこで、商品説明をわかりやすくPOP広告で表現し、対面販売を代替するケースも見られる。
これらの化粧品専門店に対して、S堂はどう対処するのだろうか。 次に、対面販売せずに安売りをしたFに対してS堂が契約解除を行った理由を考えてみたい。

「Fが安売りをしたからではなく、対面販売をしなかったから」という理由であれば、S堂はなぜ「安売りはしないが対面販売もしない」専門店とは契約を解除しないのだろうか。 共に対面販売をしない両者の間で違うことは安売りをするかしないかという点である。
かたや契約解除、かたやそのままでは契約解除の理由がマスコミの思惑どおり“安売りをしたから”とみられてもやむをえない。 そのことは、さらに商慣行の問題とも関係してくる。
すなわち、S堂とチェーンストア契約を交わした化粧品専門店との密接した関係がクローズアップされるべきである。

ただし、居酒屋はどちらが先かの居酒屋が難しい問題でもある。

そのためには上位数%の居酒屋利用者に絞っていた従来の居酒屋サービスで十分です。